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メディア対話後半②

国分氏:

 問題をさらに提示します。
1つめは、「政治関係が安定したのに、なぜイメージが固定化されたままで好転しないのか」ということです。
2つめは山田さんのおっしゃった、メディアの「政府からの自由」と「資本からの自由」の2つの自由についてです。
 今、出版、マスコミ関係はすごく厳しく、商業主義だけを追求するメディアも存在しています。公共性を持ったメディアが大切です。「商業主義との関係をどうするか」、ここが経営にも直接関係する大きな問題です。

馬氏:

 インターネットで報道の自由があるかと中東で聞かれたことがあります。
 そのとき私は中国はとても自由な国だと言いました。
 アメリカやヨーロッパについてはハマスのサイトを見れません。
 私は責任を持って、報道の自由は異なる国で異なる理解があると言いたいです。

木村氏:

 我々がいつも悩むのが、読者という市場です。
 売れないといけませんが、売れればいいのかというとそうではありません。
 小泉劇場についても、政権交代についても、1つ1つの問題を冷静に見るのが重要であるし、公共性に資すると思います。

フロアから:

 私の経験をお話しします。
 卒業して日本に初めて旅行したときに、カルチャーショックを受けました。
 日本では、おじいさんやおばあさんやビジネスマンでもみんな漫画を読んでいたんです。この国は狂っていると思いました。
 そして私も漫画を手にとってみました。そしたら面白かった。日本人は狂ってないと思いました(笑)
 やはり自分の目で見て、中国人の立場に立って、日本人の立場に立って考えたりするのが大事だと思いました。

下村氏:

 聴者として質問です。
 「資本からの自由」「政府からの自由」との話ですが、日本のメディアは、権力を持った人をチェックすることが責任だと思います。
 読者が興味を持たないと売れないということを木村さんがおっしゃっていましたが、私は一番大きいのは広告だと思います。
 政治家の圧力は私は怖くありませんでした。企業が広告を出さないぞ、という方がよっぽど怖かったです。
 テレビが大衆迎合的になっています。これは負のスパイラルであり、資本主義の中のメディアの問題です。
 中国の今のメディアの状況について教えていただきたいです。

王氏:

 私はずっとメディア界で、経営も報道もしてきました。
 簡単に大衆に迎合してはいけないと思います。
 メディアの発展をささえる3要素として、①読者、②編集者、③スポンサーがあります。
 ①としては支持がないといけません。③は資金の出所です。②は編集者の使命・意図です。
 ①②③の3つの輪が重なる部分があって、ここの重なる部分がべストです。
 テーマを決める際にはこれら3者の需要を考えるべきです。
 バイアスがかかってしまうと報道は失敗すると思います。これは西側諸国も一緒です。
 メディアを運営する中でこの3要素を追求するのが正しいやり方であると思います。

親カテゴリ: 2009年 第5回
カテゴリ: 記事