. 言論NPO主催「東京-北京フォーラム」公式サイト - 全体会議(初日)

2日目全体会議

全体会議二日目1 9月16日午前9時より、「第4回 東京‐北京フォーラム」の全体会議が都内のフォーシーズンズホテル椿山荘にて開催されました。

 フォーラム2日目にあたるこの日の全体会議では、高村正彦外務大臣と崔天凱中国大使が両国政府の代表として、また小林陽太郎氏(富士ゼロックス株式会社相談役最高顧問)と朱霊氏(中国日報社総編集長)が日中両国のフォーラム主催者を代表して挨拶し、その後、日中両双方から基調報告がなされました。日本側基調報告は実行委員会副委員長の明石康氏(元国連事務次長)が、中国側は国務院新聞弁公室主任の王晨氏が行いました。また、司会は実行委員会企画委員長代理の国分良成氏(慶應義塾大学法学部長、教授)が務めました。

全体会議二日目2 まず高村外務大臣が日本政府を代表して挨拶を述べました。このなかで高村大臣は、「戦略的互恵関係という現在の日中関係の方向性は、その時々の国際情勢に左右されるものであってはいけない」としたうえで、両国政府が今後取り組むべき課題につき、「政府間のハイレベルな相互信頼関係の構築」、「国民レベルでの相互理解の促進」、「相互互恵関係に向けた努力の継続・強化」、「地域・国際社会での共通課題の解決への両国の具体的な取り組み」の4点を挙げました。また、そのうえで高村大臣は、「このフォーラムでは政治・経済・安全保障・食料・環境・地方・メディアという多方面にわたる議論が行われる。日中両国の未来を拓く実りある議論が行われ、両国の発展の力になることを期待している」と述べました。

全体会議二日目3 つづいて駐日本中国大使の崔天凱氏が中国政府を代表して挨拶し、「日中両国の関係の発展は両国の命運と密接に関連しており、協力が不可欠である」、「近年の両国関係は難局を脱して発展の起点にある。氷の時代から春を迎え、戦略的互恵関係という目標へ向けて相互信頼が高まっている」と述べました。しかし同時に、両国間には依然として課題が残されているとし、「重点的に関心を寄せるべき」点として、「戦略的互恵関係の促進をはかること」「両国の直接交流を増やし、政治的な相互信頼関係を作ること」「国際情勢に見合う形で双方の協力の規模を拡大し、深めていくこと」「国民感情の改善を図ること」の4点を挙げました。そして最後に崔氏は会場のパネリストらに対し「皆様は両国のオピニオンリーダーであり、両国の関係発展の中軸を担っている。より多くの真摯な意見、時代を先取りする議論を期待している」と呼びかけました。

全体会議二日目4 次に実行委員長の小林陽太郎氏が主催者として挨拶をしました。小林氏は米国の世界における相対的な優位性が低下する一方で中国・インドなどの新興諸国が台頭し、米国との関係を強化しているなかで日本が軽視されているという見方に触れつつ、中国やインドが世界で果たす役割への期待が高まる中で、それが良い形になるために日本が果たす役割の大きさに対する世界の関心も高まっているとしました。そして、明らかに変わらなければならない日本が、日米関係をどう発展させ、中国との関係をどう構築していくのか、真剣な関心を持っている人が多いと述べました。さらに、今年6月から7月にかけて実施された日中共同世論調査にも触れながら、「今回は一方的解釈を許さない難しい調査結果であり、分科会の中で将来について高い志と専門性をもった方が集まって、胸襟を開いて何が原因かについて深い議論を行い、新しい関係の展開についてレベルの高い理解と展望を生み出すことを期待する」と述べました。

 中国側主催者からは、朱霊氏(中国日報社総編集長)が挨拶しました。朱氏は両国関係について「冬から氷を砕いて春を迎え、いまさわやかな秋を迎えている」とし、今年5月の四川大地震の際の日本の緊急援助隊に対する中国側の感謝の念を例に挙げながら、「中国でも理性的で客観的な報道で日本のことを伝えた」としました。そしてさらに、「今後の未来のために両国の人々の知恵や先見の明を得て、いろんな意見を出しながらアジアの未来のために率直に意見を述べ合い、実り多きものとしていただきたい。そして(日中の)友好の川をよどみなく流れ、凍ることのないようにしたい」と述べました。

次に元国連事務次長の明石康氏が日本側の基調報告を行いました。明石氏は「日中両国におけるナショナリズムのこれからの行方」に懸念を示し、相手国とWin-Winの関係を構築するために「開かれた愛国心」を持つことの重要性を強調しました。さらにまた、他国を過度にステレオタイプ化する傾向のある日本のメディアの報道姿勢に対しても「より大きな国益の観点から疑問なこともある」と疑問を呈しました。

 そのうえで明石氏は、「日中の関係は大きな変革の時期を迎えている。国際社会において、またアジアとして、歴史的に新しい全く平等な関係を構築することを求められている」と指摘するとともに、「(両国は)二国間関係の増進に取り組むだけでなく、アジア地域や世界全体、国連などにおける多国間の対話や協力を倍加させるべき」と述べました。そして最後に、「日中両国民は、過去を忘れることなく、しかも過去から引きずっているお互いの影響に怯えてしまうことなく、互いを等身大にしかも尊敬と親愛の念を失うことなく見ていきたいものだ」と締めくくりました。

全体会議二日目5 中国側の基調報告者は国務院新聞弁公室主任の王晨氏が務めました。王氏は胡錦トウ国家主席の「中日関係には2000年の歴史がある」という言葉を引きながら、中日関係が長期にわたり良好な関係を築いてきた理由として、両国の地理的な近さ、近年の政治的な相互信頼関係の発展、経済上の互恵関係の深さ、人的交流の発展、を指摘しました。同時に王氏は「(経済について)中国は巨大な途上国にすぎない」とも指摘し、改革開放路線をより一層進める必要性を強調しました。さらに北京オリンピックを例に挙げながら、「中国の将来の発展は平和的、協力的、開放的なもの」とし、「日中両国が地域的な協力を図ることにより、異なる社会制度の協力関係の模範になることができる」との見方を示しました。

 そして最後に今回のフォーラムについて、「両国の世論に影響し、中日関係に大きく影響している。各界の皆さんが遠くを見通し、両国の長期的な利益に役立つ有為な方策を議論してほしい。しかるべき建設的な役割を果たしてほしい」との期待を述べました。

会場では10分ほどの休憩を挟んだのち、引き続き分科会「政治対話」(前半)が行われます。

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親カテゴリ: 2008年 第4回
カテゴリ: 発言録